プレハブのデメリットとは?レンガの家と比較するとどちらが良い?
プレハブ住宅と言えば、災害時の仮設住宅などでよく見られる仮説住宅が一般的ですが、それ以外にも様々な建築物で採用されているれっきとした工法だということは意外に知られていません。そこでここではプレハブ住宅のメリット・デメリットについてレンガの家と比較してみました。
プレハブ住宅とは?
プレハブ住宅とは建築部材を工場で生産し、それを現場で組み立てて建てられるプレハブ工法で建てられた家のことを言います。プレハブ住宅には木質系、コンクリート系、鉄骨系があり、皆がイメージするプレハブ住宅は概ね鉄骨系のものだと思います。しかし最近では従来のプレハブ住宅のイメージを覆すようなデザインフルなプレハブ住宅が人気を博しています。尚、工場生産の部材が多ければ多いほどプレハブ住宅の特徴、メリットがはっきりと表れます。
プレハブ住宅の種類
プレハブ住宅には複数の種類があり、使用する資材によって特徴が異なります。
木質系
木材でできたパネルを主要構造部材としており、柱や梁、床といったパーツのほとんどに木材を用いています。木造の一戸建てと特徴が似ていますが、木質系のプレハブ住宅は木材のカットやパーツ合わせなどを済ませてから現場に運ばれます。そのため、建築スピードが早いというメリットがあります。
木材を使用しているため、断熱性や素材感などに優れているのも特徴です。
コンクリート系
工場で生産・加工されたコンクリート部材を現場で組み立てます。プレキャストコンクリート(PC)の壁や床・屋根パネルを主要構造・部材としており、断熱性や遮音性、耐火性に優れているのがメリットです。
鉄骨系
鉄骨を主要構造部材としており、鉄骨の柱や梁に壁・床パネルを張り付ける軸組方式のほか、外壁パネルによって構造耐力を確保するパネル方式、重量鉄骨を用いたラーメン構造などがあります。
耐震性や耐久性、断熱性、遮音性など、性能のバランスが良いのが特徴です。
ユニット系
複数の素材を組み合わせており、鉄骨のフレームや木材のパネルなどを使用します。外壁や外部建具だけではなく、キッチンや浴室設備なども工場で取り付けることが可能。そのため、工期を大幅に短縮することができます。
プレハブ住宅のメリット
短工期
プレハブ住宅は一般工法と比べると大幅に工期が短くなるのがメリットのひとつです。着工前にあらかじめ建築部材が生産され、着工後はそれらを組み上げるだけなのが理由です。短工期なので災害時の仮設住宅などに利用される工法となっています。
レンガの家は工期長め
レンガの家の工期は一般工法よりも長くかかることがほとんどです。それはレンガをひとつひとつ職人が手で積み上げていく工程が大部分を占めます。ただ積み上げるだけならまだしも、積み上げる過程で耐震性などの強度を上げるためにレンガにワイヤーを通すといった作業も発生するためどうしても工期が長くなってしまうのです。一般工法より2ヶ月ほど工期が長くなると言われています。したがってプレハブ工法と比べるとかなり大きく工期に差ができてくることになってしまいます。工期の速さを重視する場合、レンガの家よりプレハブ工法の方に利するところがあると言えます。
低コスト
一般建築に比べコスト面も違いが出てきます。ひとつは先ほど挙げた短工期ということで、職人さんの人件費を大幅に抑えることができること。職人さんの拘束時間が単純に減る上に、建築部材を組み上げるだけの部分が多いので、他の工法に比べて特殊な技術を要する職人に依頼する必要がないためです。次にオーダーメイドな部分がほとんどないこと。建築部材はすべて工場であらかじめ生産され、しかもそのほとんどが規格化されたものなので安く手に入ることがほとんどです。この家を建てるために特別に作る部材などがないので建築部材のコストも抑えられるのです。
レンガの家は高コスト
レンガの家は一般的にコストが高い建築と言われています。一般的に工期が長く、職人の拘束期間が長くなるので人件費が高くなります。またベテランの腕の良い職人を必要とするので、その分の費用も上乗せされます。また、施工できる業者が少なく、場合によっては職人たちの遠征費もかかることがあります。
設計通りの施工が可能で品質も均一
一般工法のほとんどが現場で建築部材が加工されるなど職人の技術力に頼る部分が多いのですが、プレハブ工法はほとんどの建築部材が工場で生産されますので品質はほとんど一定。そして、建築現場ではその部材を組み上げるのが主な作業となり、職人さんの技術に左右されず均一な品質の住宅を建てることができるのです。それは耐震基準などにも関わってきます。どんなに耐震基準を満たす設計をしていても正しい施工がなされなければ耐震基準を満たす住宅は建てられません。プレハブ工法なら、建築部材製造の段階から耐震基準を満たしたものが作られるので、よほどの施工ミスでもない限りは設計通りの耐震性能の家を作ることができるのです。
レンガの家は職人さんの腕にかかる部分が大きい
レンガの家は職人がレンガをひとつひとつ積み上げていくので、施工を担当する職人の腕にかかっている部分が多くある建築です。したがって職人によって仕上がりに差が出ることは否めません。そして、レンガの家は日本では一般的な工法ではなかったので腕の良い職人さんの絶対数が少ないのも特徴のひとつです。レンガの家を建てるには職人さん選び、つまり工務店選びから特に慎重に行う必要があると言えます。
プレハブ住宅のデメリット
デザインの自由度が低い
プレハブ住宅のメリットとして短工期、低コストとお話しましたが、これを実現しているのが部材の規格化と工場生産です。つまり、プレハブ住宅では工期やコストを抑えられる反面、デザインの自由度が低いというデメリットがあります。部材の大きさなども規格化されているので、土地の形や大きさに合わせた設計はできません。したがって変わった形の土地や狭い土地などに建てることができない可能性があります。また、土地の広さなどを生かしきれないことが多くあります。既製品なので、それを土地に落とし込むしかないのです。外観も理想通りの外観になることはほとんどありません。お洒落なプレハブ住宅が増えつつありますが、オリジナリティーを重視する人には適さない工法です。
レンガの家はデザインの自由度が高い
レンガの家を建てるメリットはなんといってもレンガ積みの外観にありますよね。周辺地域でも目立つこと間違いなしレンガの家。多くの人が憧れるものです。そして、レンガの家は一般工法の注文住宅と同じく設計の自由度が高い工法ですので、思い描いた外観を設計に大きく反映させることができます。
リフォームが難しい
例えばシステムキッチンの入れ替えなどはできますが、構造部材に手を加えるようなリフォームは難しいと言われています。壁等で建物全体を支えている構造の場合も多く、間取りの変更は難しいのです。もしリフォームをするとしても一般工法と比べると技術的に高いものを求められるのでリフォーム費用が多くかかってきます。また、建築基準法等の法規制で認可を受けている場合も多くあります。その場合、リフォームなどで設計改変をするのは難しくなる場合があります。
レンガの家もリフォームは難しい
レンガの家もリフォームが難しい工法だと言われています。それは積み上げたレンガに手を加えることが難しいという意味で、内装のリフォームはインテリアなどのリフォームは問題ありません。ただしエアコンを後から設置するなどレンガに穴を開けなければならないようなリフォームはできませんので注意が必要です。したがって、設計の自由度は高いとお話ししましたが、将来的の暮らし方なども考えた設計が必要となってきます。
耐久性・耐火性がそれほど高くない
プレハブ住宅の耐用年数は軽量鉄骨の厚さにおより19年、27年となっており、これはあくまでも法定耐用年数です。実際にはしっかりメンテナンスをしていれは50年だって住むことはできます。これは木造の一般工法と違いはありません。また、耐火性に置いては木造ほどではありませんが、軽量鉄筋は火に弱いとされています。一定の温度に達すると溶けてしまうようです。
レンガの家は耐久性・耐火性が高い
レンガは1000度以上の高温で焼かれてできたものです。したがって火に強いのは言うまでもありません。隣の家が火事になったとしても、一般工法に比べ延焼を大きく防いでくれます。ただし内側の構造駆体は木造の家がほとんどなので内側からの出火だと延焼こそ防ぎますが、どうにもなりませんね。
プレハブ住宅とレンガの家はどちらが良い?
金銭的・時間的コストをできるだけ抑え、一定品質の家を作りたいという方にはプレハブ住宅がオススメです。しっかりメンテナンスをすれば50年でも住むことができます。レンガの家は耐久性やデザイン性を求める人におすすめ。どちらも駆体をいじるようなリフォームは難しいので注意が必要です。