シン・(3匹の)コブタ~コスパのいいレンガの家 施工方法比較~
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ログハウスとレンガの家、建てるならどっち?

ログハウスとレンガの家の メリット・デメリットを比較

ログハウスのメリット

木が断熱材の代わりに

熱の伝わりやすさを熱伝導率と言い、熱伝導率の値が小さいほど断熱性能に優れています。木材は熱伝導率の値が小さく、コンクリートの12分の1ほど。優れた断熱性能は結露を防ぎ、健康的な住空間をつくり出します。

ログハウスの場合は丸太の厚みが100mm以上もあるので、さらに外部の熱が伝わりにくいという特徴があります。まさに天然の断熱材です。丸太が使われている壁面は断熱材が必要ありません。

リラックス効果がある

ログハウスは、木の香りも魅力のひとつです。近年は樹木から発散される「フィトンチッド」という香り成分のリラックス効果が注目されています。天然木をふんだんに使用しているログハウスは、フィトンチッドの効果が高くなるのは当然です。

まるで森のなかにいるようなリラクゼーション効果を作り出してくれるでしょう。また、素足や素手で無垢の木に触れたときの触り心地も大きなリラックス効果をつくり出します。

耐震・耐火性能がある

丸太を組み上げて壁をつくるログハウスは、地震があると丸太同士が摩擦を起こします。その摩擦力で揺れを吸収。丸太で組んだ壁が制震装置として働くことから、耐震性能に優れています。

また意外なことに、ログハウスは火にも強い建築です。丸太は火が回ると、表面に炭化層を作って鎮火させる効果があります。太い丸太を何本も使っているログハウスはそれだけ耐火性に優れていて、万が一外から延焼しても全焼してしまうことはほとんどありません。

耐久年数

759年に建てられた奈良の正倉院はログハウスと同じように木材を積み上げた構造ですが、1200年以上経ってもその形を保っています。ログハウスは定期的にメンテナンスを行うことで、高い耐久性を発揮するでしょう。

木は腐りやすいというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際は切り出して時間が経つほど強くなっていく素材です。しっかりメンテナンスさせすれば、100年後でも残り続けてくれるでしょう。

気密性・湿度

機械で丸太を精密加工するログハウスは、丸太の上下に凹凸をつけて組みあわせることで隙間をしっかり塞ぎます。そのため、気密性は他の一般的な住宅と変わりません。

また、ログハウスには湿度が高い時には湿気を吸って、逆に低い時には湿気を吐き出す調湿効果があります。湿度を一定に保ち、外が蒸し暑い日でも室内では快適に過ごせるでしょう。

ログハウスがもつデメリット

外壁のメンテナンス

ログハウスには定期的なメンテナンスが必要です。特に外壁は、短いスパンでメンテナンスをした方が良いでしょう。塗装をこまめに行わないと木が痛んでしまう可能性があるため、再塗装の1回目は築2~3年後、その後は5~10年を目安に塗り替えが必要です。

木が痛んでしまうと、その上から塗装をしても効果が十分に発揮できません。再塗装の際、ログ材の種類によっては木から滲み出たヤニを取り除く作業を行いましょう。

家の強度を保つためのセトリング

ログハウス特有のメンテナンスとして、セトリング対策があります。セトリングとは、ログ材の重みや乾燥による収縮でログ材が沈下。壁が下がって天井が低くなる現象のことです。

特にセトリングは築1年以内に起こりやすいので、こまめにログ材の最上段から最下段までを貫通している通しボルトの締め直しをしましょう。ボルトが緩んだままだと、歪みが生じて家全体の強度が落ちてしまいます。

寒くなる前に煙突掃除

薪ストーブがある場合、煙突掃除は薪ストーブを使い続けていく上で必ず行わなければならない大切な作業です。薪ストーブの煙突の内部には煤やタールが蓄積していて、そのまま使用を続けると火災が発生してしまう可能性があります。

煙突の内部は見えないので、煤の付き具合などはブラシを通してみないとわかりません。ストーブを使うシーズン前に必ずブラシを通し、確認することが大切です。

コーキングの張り直し

ログハウスは雨漏りする場合があります。とは言っても天井からポタポタ落ちてくる雨漏りではありません。ログハウスの雨漏りはログ同士が交差しているノッチという部分からしみだしてくる雨漏りのことです。

ノッチ部分の雨漏りを防ぐには、外部からのコーキングが一番効果があります。ただし、コーキングは雨風や紫外線によって木が収縮してひび割れてくることも。そのような場合、コーキングの張り直しが必要です。

水道の凍結防止

冬の寒い季節は、地域によって水道の凍結が心配されます。水道が凍結すると水が出なくなるだけでなく、万が一給水管を破裂させてしまった場合は多額の費用が修理にかかってしまいます。

水道の配管を壁面に露出配管にしている場合、凍結による破裂を防ぐため凍結防止帯を巻くようにしましょう。もし水道管が凍結してしまったなら、配管にタオルをかぶせその上から50℃ほどのぬるま湯をゆっくりとかけて溶かします。

ログハウスとレンガの家を比較

ここまでは、ログハウスのメリット・デメリットを紹介してきました。ここからは、ログハウスとレンガの家で似ているポイントや異なるポイントを比較してきましょう。それぞれの家がどのような人に向いているかについても紹介します。

ログハウスとレンガの家で似ているポイント

耐久年数

ログハウスは適切なメンテナンスを行っていれば耐久性を維持できます。木材は乾燥していくことでどんどん強度を増すため、100年以上住み続けても問題ありません。

一方、レンガの家も耐久性に優れた建物です。焼いて固められたレンガは、長年使い続けても変質したり劣化したりすることがありません。そのため100年以上長持ちし、孫の代まで住み続けられる住まいを実現します。

耐火性

木材は表面が燃えると炭化して空気を遮断し、それ以上内部が燃えるのを防ぎます。つまり、ログ材は火がついても芯まで到達するのに多くの時間がかかり、壁が倒壊してしまう恐れが少ないのです。

レンガも高温で土を焼き固めた素材のため、耐火性に優れています。土を一度乾燥させてから焼き上げる工程において、無数の空気の粒が含まれる構造が耐火性を発揮。万が一火事になっても、炭素を含まないレンガで造った外壁が燃えることはありません。

耐震性

ログハウスは横に積んだログ材の集合体が家を支える構造体となっていて、地震で揺れると丸太同士の摩擦力で揺れを吸収します。壁全体で揺れを吸収するため、耐震性に優れています。

一方レンガの家ですが、レンガ自体は地震に強い素材ではありません。しかしレンガの家はレンガ内部に鉄筋を通していたり、積んだレンガをモルタルなどで固定していたりすることで高い耐震性を実現しています。

ログハウスとレンガの家で異なるポイント

メンテナンスの頻度

ログハウスは、定期的なメンテナンスが必要です。外壁塗装やセトリング対応など、適切なメンテナンスを行わないと家を長持ちさせることができません。5~10年を目安にメンテナンスを行いましょう。

一方、レンガの家はメンテナンスフリーです。レンガは、太陽の光や水によって劣化することがないため一般的な外壁塗装を行う必要がありません。施工費用は高めですが、メンテナンスを行う必要がないためランニングコストがかからず、長い目で見るとお得です。

ログハウスとレンガの家はどんな人に向いている?

ログハウスのメリットは、断熱性能や耐久性、耐震性、耐火性が高いことです。また、樹木から発散されるフィトンチッドという香り成分によってリラックス効果が期待できます。

ログハウスのデメリットには、こまめなメンテナンスが必要なことが挙げられます。セトリング対策やシーズン前の煙突掃除、コーキングの張り直しなどをしっかり行うことで長く済み続けられる家が実現します。

レンガの家は耐久性や耐震性、耐火性などが優れている点がログハウスと似ています。ただし、レンガの家はログハウスと異なりメンテナンスの必要がありません。住まいに手をかけたい方はログハウスでも良いですが、メンテナンスが面倒に感じる方はレンガの家の方が向いているでしょう。

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