シン・(3匹の)コブタ~コスパのいいレンガの家 施工方法比較~
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ユニット工法とレンガの家、建てるならどっち?

ユニット工法のメリット・デメリット

ユニット工法のメリット

品質が安定する

ユニット工法は、工場生産されたユニットを現場で組み立てる建築方法です。工場にて、外壁や窓、断熱材なども含めたボックス状のユニットを製造します。全体の8~9割の作業を工場で行うため、品質ムラが起きにくく品質が安定しているのが特徴です。

現場作業は、雨風に見舞われたり大工・職人さんの技術の差を含む不確定要素が多いものです。その点、ユニット工法なら屋根付きの工場で組み立てられるため品質のブレが少なくなります。

大きい窓・大きな部屋がつくれる

ユニット工法に多い「鉄骨ラーメン構造」は、柱や梁を重量鉄骨で構成し、その接合部が固定されている構造です。材と材が交わる部分を剛接合によって固定するのが特徴で、高層ビルやマンションなどにもよく用いられています。

そんな鉄骨ラーメン構造は耐力壁が不要なため、大空間をつくりやすい構造とも言われています。耐力壁とは、建物の構造を支えるために必要な壁のこと。鉄骨ラーメン構造は柱と梁を剛接合によって固定されているため、耐力壁がなくても十分建物を支えられるのです。そのため、壁面いっぱいの窓や開放的な大空間など、こだわりの間取りを実現することが可能です。

高い耐震・耐久性

ユニット工法は、高い耐震性や耐久性を持っています。ラーメン構造をはじめとした箱型構造は、一部に極端な負荷をかけることなく建物全体で衝撃を吸収・分散。しかも接合部分は強力に溶接されているため、地震に強い建物を実現できるのです。

工場で製造されているので手抜き工事の心配もありません。ただし、経年劣化などによって性能低下する可能性はあるため、定期的に検査やメンテナンスを行うようにしましょう。

工期が短い

ユニット工法では、現場で基礎工事を行っている間に工場でユニットを生産します。基礎工事と建築工事を並行して行うことができるため、工期の短縮が可能です。さらに現場での組み立てスピードも早く、ユニットを搬入したその日のうちに屋根の防水工事まで行います。

職人が現場で一から組み立てていく一般的な在来工法と比べると、平均で2~3ヶ月ほど工期が短いとされています。工期が短いと、人件費の削減や早い入居が可能です。

ユニット工法がもつデメリット

建築にかかるコスト

ユニット工法の中でも鉄骨ユニット工法は、コストがかかります。コストがかかる原因は、原材料が高いから。鉄は木材に比べて高価格である上、鉄の断熱性・耐火性・錆などの欠点をカバーするため高機能な部材を用いる必要があります。鉄は熱伝導率が高いため外気温の影響を受けやすく、適切な断熱対策を行わないと結露や錆につながります。

また、地盤改良の必要があることも理由のひとつです。鉄骨は重量があるため、地盤にかなりの負荷がかかります。家全体となるとかなりの重量となり、それを支えるために地盤改良を行う必要があるのです。

間取りが限定される

ユニット工法は箱型のユニットを組み合わせることになり、その一つひとつユニットには高さや広さの制限が設けられています。そのため、ある程度の規格に沿ったシンプルな間取りやデザインから選ぶことになり、間取りの自由度が限られる建築です。

ユニット自体の規格が決まっていることから複雑な構造にしたり、オリジナリティな要素を加えたいという要望を叶えることは難しいかもしれません。また、素材やデザインもあらかじめ決められたものから選ぶなどデザインの選択肢も狭く、気に入ったものが見つからない可能性もあるでしょう。

土地形状に合わせた設計も難しく、立地によって建てられない場合も。ユニット工法はトラックやクレーン車などの大型の作業車を使って運び込むため、十分なスペースがない立地には建てられません。土地の状態をしっかりと確かめ、専門家に相談の上で選択する必要があります。

リフォームが難しい

ユニット工法は、リフォームが難しいというデメリットがあります。新しくユニットを加える増築はできますが、鉄骨が頑強で大きいことが多いため、構造をいじるような大規模リフォームを行うことは並大抵のことではありません。

地域の中小リフォーム会社では対応が難しく、建てたメーカーでしか対応できないケースも多くあります。ただし、建てたメーカーでリフォームを依頼すると費用が高くなりがちです。ユニット工法の家をリフォームするならいっそ建替えの検討を…という事態になる可能性も。大規模なリフォームをしなくて済むよう、家を建てる前に将来を見据えた計画を立てる必要があります。

ユニット工法とレンガの家を比較

ここまでは、ユニット工法のメリット・デメリットを紹介してきました。ここからは、ユニット工法とレンガの家で似ているポイントや異なるポイントを紹介します。ふたつを比較することで、自分たちに向いている工法が分かるかもしれません。

ユニット工法とレンガの家で似ているポイント

耐震・耐久性

ユニット工法は建物全体で衝撃を吸収・分散するため、一部に極端な負荷がかかかることがなく耐震性や耐久性に優れています。現場での職人作業が少ないので品質が安定していて、施工のムラが少なく手抜き工事の心配もありません。

一方、レンガの家も耐震性や耐久性が高い建築です。鉄筋コンクリートのようにレンガの内部に鉄筋やステンレス筋を通すことで、自身に強い住まいを実現します。また、レンガは長年使い続けても変質したり劣化したりすることがないため、長く快適に住み続けることが可能です。

リフォームが難しい

ユニット工法は、新しくユニットを加える増築はできても、大規模なリフォームは難しいという特徴があります。同じく、レンガの家のリフォームも容易ではありません。

メンテナンスが必要ないほど耐久性が高いため、リフォームには向いていないのです。どちらも建てる際は長く住み続ける前提に、リフォームをしなくてもよいよう綿密な設計を行う必要があります。

ユニット工法とレンガの家で異なるポイント

工期の長さ

ユニット工法の工期は非常に短いのが特徴です。ユニット工法の工期の目安は、工場でユニットを作る作業が3~4ヶ月、現場での組み立て作業が約1日となります。工期が短いため、現場での人件費が削減できたり仮住まいの家賃を減らしたりできるのがメリットです。

レンガの家は、工期が長くなりがちです。レンガの家は専門の職人が一つひとつ手作業でレンガを積み上げていきます。通常の住宅より建築に手間がかかるため、余裕をもった工期を確保する必要があります。

ユニット工法とレンガの家はどんな人に向いている?

ユニット工法もレンガの家も耐震性や耐久性が高いというメリットと、リフォームが難しいというデメリットがあります。また、ユニット工法では工期が短く、大きい窓・大きな部屋がつくれるなどのメリットも。ただし間取りに制限があり、デザインの選択肢も狭いため希望通りの住まいを実現できない可能性があります。

一方、レンガの家では希望通りの間取りで家を建てることが可能です。レンガは色彩や貼り方、形状によって見た目が大きく変わるため、柔らかな雰囲気や重厚感と風格を感じる雰囲気、スタイリッシュで格好良い雰囲気など、好みに合わせて仕上げることができるでしょう。工期は長いですが、その分オシャレでメンテナンスも容易な住まいを実現できます。

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