ZEHのメリットとは?レンガの家と比較するとどちらが良い?
ZEHの家のメリットとは?レンガの家とどちらが良い?
もはや省エネが当たり前となってきた近年において、注目されているZEH(ゼッチ)のメリット・デメリットをまとめました。また、家を建てるならレンガの家と比較してどちらがよりお得なのか、初期の設備導入だけでなくランニングコストも含めて比較してみました。
ZEHのメリット
室内が快適な状態に保たれる
ZEHは外壁の断熱性能等に断熱材を2つ併せた厚みのあるW断熱が採用されているため、夏は涼しく、冬は暖かいのが特徴。
それに併せて屋外と室内の熱を交換する「第一種換気システム」も採用されているため、気温の急激な変化によって体へ負担がかかる危険性が少ないのも魅力です。
太陽光発電でエネルギーを作り出すことによって、1年間でかかるエネルギーと得られるエネルギーがプラスマイナスゼロになることを目指して設計されています。環境にやさしく、快適な暮らしが維持できるのがZEHのメリットなのです。
補助金制度があるため補助金を受取ることができる
国からZEHと認定されることで最大115万円の補助金を受けることができます。
そのポイントとは断熱性・省エネ性能・創エネの3つ。
具体的には暑さや寒さに影響を受けにくい断熱性能があり、冷暖房に使うエネルギーを減らすことができること。省エネの観点からは、HEMS(ヘムス)という、住宅内の消費エネルギーと太陽光発電等で創るエネルギーを両方確認できるシステムの導入、また消費電力の少ないLED照明の導入があること。
創エネとは太陽光発電システムなどの再生可能エネルギーシステムが消費エネルギーを上回ること。以上がZEHの3要素と言われています。
災害時でも電気が使用できる可能性が高い
ZEHに必ずついているのが、太陽光発電システム。そのため大きな災害などで電力の供給が止まってしまっても取り急ぎ電力に困ることはありません。
ただでさえ不安な災害時に夜間であっても暗闇に怯えることなく、避難指示があるまで、明るい自宅の中で自宅に待機できるのが大きなメリットですね。
ただし、ZEHを満たしていても家電の消費電力は想定されていないケースがほとんど。それらを電力会社からの電気供給で賄っている場合は、電気が復旧するまで使用できない可能性もあります。
ZEHのデメリット
設備のメンテナンスが必要
すべての設備は経年劣化してしまうため、ZEH住宅には一定の設備維持費がかかります。太陽光パネル設備も例外ではありません。
正確には最近の太陽光パネルそのものは耐久性に優れているため、ほぼメンテナンスは不要ですが、太陽光で作られた電気エネルギーを循環させるための設備のメンテナンスは大体5年ごとに5万円、また蓄電池は保証期間の15年が経った際に約20〜30万かかってしまいます。
蓄電池に関しては使用頻度によりメンテナンスまでの期間は前後しますが、遅かれ早かれ必ず実施する必要あるため、備えておく必要があります。
ZEH型の住宅を建てるためのコストが高い
東日本大震災後、電気代はどんどん上昇しています。そのためZEHが注目されていますが、実はZEHは多くの設備を採用しているためそれぞれの部材のコストが高くなるのが難点。
太陽光発電、高性能な断熱材、高効率エアコン、高性能サッシ、効率給湯器、熱交換型換気扇などの設備が備えられるため、坪数によって変わるものの一般住宅と比べて、初期費用に数百万もの差が出てしまうことも珍しくありません。
天気に左右されて発電量が安定しない
雨の日や曇りの日、また冬などの日照時間が短い季節はどうしても創られる電気エネルギーが下がってしまいます。
太陽光発電は魅力的ではありますが、やはり安定という意味では電力会社からの供給が不可欠です。
太陽光発電によって創られた電気エネルギーは自宅での使用ができる以外に、販売ができるため、プラス面、マイナス面いずれが大きくなるかは立地によると言えます。
レンガの家のメリット
ここまでZEHのメリット・デメリットをみてきました。ここではレンガの家のメリット・デメリットを取り上げて紹介していますので、ぜひZEHと比較してみてください。
メンテナンスフリー
実はレンガという材質はメンテナンスがほぼ必要ありません。
実際に北欧ではほとんどの家がレンガで造られており、メンテナンスはよほどのことがない限り行われていません。
外壁に関してはむしろ時間が経つにつれて美しさが増すとさえ言われているため、若干の色褪せも劣化ではなく魅力の1つとして捉えられています。
レンガの家は、美しさを損なわず何世代にも渡って住み続けられるのがメリットだと言えるでしょう。
レンガの寿命は100年以上
日本の住宅の平均は25〜35年と言われていますが、レンガ造りの家の寿命は100年以上と言われています。
材質にもよりますが一般住宅では経年劣化による外壁の痛みをメンテナンスする必要がありますが、レンガの耐久性はとても高くメンテナンス不要で長持ちします。
1000度以上の超高温で焼き上げてセラミック化したレンガは、外壁の塗り替えなどの必要がなく、長期的に何世代にも渡って住むことが可能。
例え、お住まいが沿岸地域の場合でも潮風で外壁が痛む心配もなく、多雪地域の雪の重さにも耐え、気温がー20度でも凍害の心配はありません。つまり気密性、断熱性に優れていると言えます。
外気温の変化から守ってくれる
レンガは耐熱性能と蓄熱性能の両方を持ち合わせているため夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができるのもレンガの家の魅力。
古いレンガ造りの倉庫などが多いのも、こういった特性を生かした知恵というわけです。
レンガの家のデメリット
簡単にリフォームができない
レンガの家は1つ1つのレンガを積み上げた強固な造りであるからこそ、リフームや増築が困難といった側面を持ちます。
そのため最初の段階で、綿密に長期的な計画を練った上での設計が必要と言えます。
例えば、完成後にエアコンを設置するために壁に穴を開けるなどといった工事ですらもできません。また解体が必要になった場合、一般的な木材住宅よりも費用が高くなる傾向があります。
慣れた建築家や施工業者が少ない
最近ではレンガ造りの家を建てる施工業者も増えてきつつありますが、一般住宅の建築と比較すると、近隣に実績のある工務店や施工業者が少ないといった問題もあります。
そもそも日本建築ではレンガ造りの家は一般的でなかったため、創業が古い施工業者でも熟練した職人さんが育つ環境がないのが現状です。
工期が長め
建物自体が傾かないようにレンガを水平に1つずつ積み上げていくため、それだけ手間や時間がかかります。
完成までに時間が長くかかる分、一般住宅を建てる際よりも多くのコストがかかることもデメリットの1つ。
工期は依頼される業者によって差は出てしまいますが、大体レンガ造りの場合2ヶ月は長くかかってしまうようです。
まとめ
レンガの家とZEHのそれぞれのメリット・デメリットを紹介させていただきました。それぞれ初期費用は高めですが、それに見合うメリットがあります。
ただ、維持費や工期、住宅完成後の扱いには注意が必要。ZEHは注目されつつありますが、まだまだ伸びしろがありそうですね。
こだわりの住宅に長く住みたい!という方は、レンガの家をさらに詳しくチェックしてみてはいかがでしょうか。