シン・(3匹の)コブタ~コスパのいいレンガの家 施工方法比較~
シン・(3匹の)コブタ~コスパのいいレンガの家 施工方法比較~ » レンガの家とさまざまな工法の住宅性能を比較してみました! » 混構造とレンガの家、建てるならどっち?

混構造とレンガの家、建てるならどっち?

混構造とは

混構造とは、木造と鉄筋コンクリート造や鉄骨造を組み合わせるなど複数の構造を組み合わせる工法のこと。それぞれの構造形式の利点を活かし、弱点が補うことができます。例えば屋根を木造で計画し、それ以外を鉄筋コンクリート造としたものなどが混構造です。

鉄筋コンクリートとの組み合わせ

立体面混構造

立面混構造とは、下階を鉄筋コンクリート造や鉄骨造などの非木造にして、上階を木造にするなど、高さ方向に異なる構造種別を組み合わせたのを指します。

高さ方向に異なる構造を組み合わせるメリットは大きく、浸水高さまで鉄筋コンクリート造にしてその上部を木造にすれば津波対策になります。また、1階を防音性の高い鉄筋コンクリート造にすれば楽器の使用が可能なスタジオを設置できるでしょう。

国土交通大臣認定の耐火部材は1時間耐火のものしかないため、耐火建築物とする場合の木造部分は最上階から4階までに限られてしまいますが、1階が鉄筋コンクリート造で2階が木造であれば木造部分への地震力を割り増した構造計算などを行う場合に限り、延べ面積3,000㎡まで非耐火建築物で建設可能です。

平面混構造

平面混構造とは、水平方向に木造と非木造とを組み合わせた構造です。階段や設備室、エレベーターなど建物のコアの部分を鉄筋コンクリート造や鉄骨造にすれば、必要な性能を確保しつつ比較的容易に木造部分を設計できます。鉄筋コンクリート造や鉄骨造を平面的にバランスよく配置することによって、非木造部分に木造部分の水平力を負担させることが可能です。

また、耐火構造である鉄筋コンクリート造の連結を挟めば別棟通達を適用し大規模木造の設計もできます。木造と鉄筋コンクリート造の混構造の場合、述べ面積500㎡・高さ13m・軒高9m以下であれば構造計算ルート1で設計が可能です。構造計算ルート1とは、構造計算ルートの中で最も簡単な計算手順となっています。

混構造のメリット・デメリット

混構造のメリット

耐久性

混構造のメリットには、耐久性が高いことが挙げられます。混構造は、鉄筋コンクリート造の堅牢さを住まいに取り入れられます。

鉄筋コンクリートは重量があるため、木造よりも地震をはじめとする災害に強く、コンクリートが燃えにくいことから耐火性にも優れています。つまり、地震や火災、台風や水害といった災害に強い住まいを実現できるのです。

防音性

鉄筋コンクリートは、遮音・防音効果に優れています。壁や床に使用されているコンクリートが生活音を遮断するため、静かな住環境を希望する人に向いているでしょう。

上下の階や隣家との間での生活騒音に悩まされることがなく、騒音トラブルを回避しやすいのが鉄筋コンクリートです。楽器の使えるスタジオなどを設置することもできます。

木造のデザイン性

鉄筋コンクリート造や鉄骨造だと空間が冷たいと感じる人もいるかもしれませんが、混構造の場合は2階部分に木の温かみを感じることができる空間を設けることが可能です。

コンクリート住宅のスタイリッシュな素材感に木造空間を加えることで、家の中でも雰囲気の異なる空間が生まれます。好みに合わせ、居心地の良い部屋を実現できるでしょう。

変形地や傾斜地でもOK

変形地や傾斜地に木造だけで家を建てようとすると、構造的な制約が大きく自由な家の形やプランニングを実現できない可能性が高くなります。

しかし、下階が鉄筋コンクリート造で木造の欠点を上手にカバーする混構造であれば、変形地や傾斜地でもOK。厳しい敷地条件でも、自由度の高い建物を建てられます。

混構造がもつデメリット

建築コスト

混構造は、木造に比べると建築費が高くなるのがデメリットです。鉄筋コンクリート造は坪単価が高く、全て木造で作られた家よりはコストがかかります。

特に基礎を土に埋め込むように家を建てる場合は、鉄筋コンクリートの箇所が増えるため高くなりがちです。さらに、混構造は違った構造を取り入れるため技術力が必要となり、その分のコストがかかる可能性もあります。

建築期間が長い

混構造は、確認申請のときにより詳細な構造計算が求められる可能性があります。単一構造で家を建てる場合は簡易計算用のルールがあるのですが、基本的に混構造にはそのルールがありません。全てゼロから計算しなければならないので、時間がかかります。

さらに、混構造の家は設計や施工が複雑になるため、建築期間が一般の住宅に比べて1~2ヶ月ほど長くなってしまう場合もあります。

リフォームが難しい

2つの構造の良いとこ取りをしたように見える混構造ですが、デメリットのひとつにリフォームがしにくいという点が挙げられます。

特にモノコック構造や壁式RC構造と呼ばれるような構造だと、天井・床・壁の6面をコンクリートで囲うような面で家を支えるため、大がかりなリフォームは構造上不可能です。長く住むことを前提で間取りを考える必要があります。

火災保険が高くなることも

一般的に木造住宅は、火災保険料が高く設定されています。一部が木造となる混構造の場合、どの程度火災保険が高くなるか分かりません。

木造の割合がどのくらいになるかで火災保険の金額も変わってくるため、家を建てる前にしっかり確認するようにしましょう。

混構造とレンガの家を比較

ここまでは、混構造のメリットとデメリットについて紹介してきました。ここからは、混構造とレンガの家の似ているポイントや異なるポイントについて解説します。それぞれ、どんな人に向いているのかチェックしてみてください。

混構造とレンガの家で似ているポイント

施工できる工務店が少ない

混構造は歴史が比較的浅く、施工例が少ない工法です。その上、設計や施工も複雑になるため、施工できる工務店が少ないという特徴があります。

レンガの家も同じく、施工できる工務店が限られます。レンガの家はレンガを一つひとつ積み上げていくため、熟練の職人による確かな施工技術が必要となるからです。

リフォームが難しい

混構造とレンガの家は、リフォームが難しいという類似点もあります。混構造は複雑な構造のため、大がかりなリフォームには向いていません。

一方レンガの家も、その堅牢さゆえにリフォームが難しくなります。積み上げたレンガの隙間にモルタルが固められているため、部分的な補修も困難です。

構造とレンガの家で異なるポイント

火災保険

混構造は、木造部分の割合によっては火災保険料が高くなる可能性があります。木造の割合がどのくらいになるかで火災保険の金額も変わってくるので確認するようにしましょう。

一方、レンガの家の火災保険料が安い可能性が高いのが特徴です。建てたレンガの家が省令準耐火構造住宅に認定された場合、耐火性能を有していると評価されます。火災のリスクが低いとみなされ、火災保険料が割安に設定されるのです。

混構造とレンガの家はどんな人に向いている?

混構造は、二種類の構造の良いところを組み合わせた工法です。木造と鉄骨造を組み合わせれば、木造のメリットである断熱性と吸湿性という特徴と、鉄骨造の間取りを広く取れるという特徴を生かした住宅を建てることができます。デメリットには、建築費用が高い、建築期間が長い、リフォームが難しい、火災保険料が高いなどが挙げられます。

レンガの家も建築費用や建築期間、リフォームの難しさなど混構造と同様のデメリットがありますが、火災保険料が安いというメリットもあります。変形地や傾斜地に家を建てたい方は混構造が向いているかもしれません。レンガの家は耐火性や耐久性が高く、100年経ってさらに味わい深くなる住まいに住みたい人に向いています。

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