レンガは
エコな素材って本当?
レンガはエコな素材とは本当でしょうか。ここでは、レンガがエコ素材とされる理由について紹介します。
レンガがエコ素材とされる
理由
土に還る
粘土や頁岩(粘土の堆積岩)、水などを合わせて練り、型に入れて焼き固めたものをレンガといいます。レンガは焼くことで高い耐久性を持ちますが、原料は土です。そのため、どんなに高い耐久性を持っていても砕くと元の土に還ります。
その際、地球環境に悪影響を及ぼすような化学物質が出ることはありません。純粋に土となって元の状態に戻るのです。土から出来、土に還るレンガはまさにエコと言えるでしょう。
腐食しにくい
土を原料とし、高温で焼き上げるレンガは有機物を含みません。そのため、腐食しにくいという特徴があります。木材は水分を含むため害虫が発生しやすく、腐食させないためには防腐剤を塗布しなくてはいけません。その点レンガは腐食の心配がないため、防腐剤は不要です。
レンガは特別な手入れも必要なく、ホコリや苔が付いたとしてもブラシで水洗いすればOK。お手入れの際も地球を汚さずに済む点も含めエコと言えます。
耐火性がある
土を焼き固めてつくるレンガは、高い耐火性を持っています。土を乾燥させて焼き上げる工程の中で、無数の空気の粒が含まれる構造が火に対して優れた能力を発揮するのです。また、レンガには炭素が含まれていないため燃えることがありません。昔から暖炉や窯の素材として使用されていることからも、その耐火性が分かります。
夏涼しく冬暖かい
レンガの構造物の壁は厚く、耐熱性に優れています。そのため、夏は外部の直射日光による熱を内部に伝えにくいため涼しいです。一方、冬は外部の冷気の影響を受けることなく、さらに内部の温度を外に逃さないので暖かい室内を実現します。
気候変動や温度の変化に適応することが可能で、一年中快適な環境を保つことができるため、使われるエネルギーの大幅な節約になります。
接着剤や塗装がほとんど必要ない
レンガ造りの家はレンガの地肌のまま建てられることが多く、ほとんどの場合塗装されません。むしろ色の違いや仕上がり具合の差がレンガの魅力であり、塗装は邪魔になってしまうでしょう。
そのため、接着剤を使う機会は比較的少ないです。施工する職人や近隣住民に対しても非常に安全な素材で、環境への負荷もほとんどないと言えます。エコ素材として、剥がれた外壁塗装が地球環境に負担をかけることもありません。
エコレンガってなに?
現在多く流通しているのは日干しレンガと焼成レンガですが、新しいレンガとしてエコレンガが登場。注目が高まっています。
近年、廃プラスチック問題や埋め立て問題など世界中で多くのゴミ廃棄に関する問題が起きています。そんな中、社会は廃棄物を再資源化し、環境への負荷を抑制する循環型社会へ大きく変換中です。その一環として、原料に焼却灰や廃土を利用したエコレンガが登場したのです。
アーザンブリックス
最近ホームセンターでもよく見かけるようになったのが、「アーザンブリックス」という無焼成のエコレンガです。アーザンブリックスとは、下水道汚泥焼却灰や石炭灰、窯業廃土、溶融スラグ、ガラスくずなどの未利用資源を活用し、特殊固化技術によって焼かずに再生した画期的なレンガ風ブロックのこと。
再生原料比率80%以上であり、焼かないため焼成時に出るCO2も大幅に削減が可能。徹底した環境配慮で作成されたレンガです。さらに使用後は、何度でも再生可能とのこと。
景観性にも優れ、まるでアンティークレンガのようなシックな仕上がりで、年数の経過とともに味わい深くなっていきます。また、触った感じがザラザラしていて滑りにくいため、敷きレンガとして使用しても歩きやすいでしょう。