レンガの種類や用途別の選び方
いざレンガの家を建てようと思っても、レンガの種類が多くてどれを選べば分からないという方もいるのではないでしょうか。ここではレンガについて、製造方法別の種類や国産レンガ、輸入レンガの種類ごとの特徴をまとめました。また、用途別にみるレンガの選び方についても紹介します。
レンガの種類
製造方法別だと大きく2種類
レンガは製造方法によって、「日干しレンガ」と「焼きレンガ」に分けられます。それぞれ特徴があるため、2つのレンガについて詳しく見ていきましょう。
日干しレンガ
日干しレンガとは、粘り気のある土や砂、水を粘土状に混ぜ型に流し込んで2~3日ほど天日干ししたものを乾燥させたレンガのこと。自然乾燥させることで一定の強度を得られますが、湿気に弱いという特徴があります。大きさはさまざまなものがありますが、形は基本的に方形のものが多いです。
建材としての歴史は古く、木材に恵まれない乾燥地域で建材としてよく利用されていました。古代のペルシアやメソポタミア、エジプトなどの地域でも使われていたことが分かっています。
焼きレンガ
焼きレンガとは、粘土と頁岩と水を合わせて練って型に入れて焼き固めたもののこと。日干しレンガよりも手間と時間をかけて作られ、炭素を含んでいないことから耐火性に優れているレンガです。
新しいタイプのレンガ
近年では、新しいタイプのレンガも出てきています。例えば新燃レンガは、インフラ整備や公共事業などに活かせる特徴を持つレンガです。滑り抵抗値や透水性が高いことから雨の日の歩行も安全に。色によるすみ分けで、避難誘導にも使用できます。
耐久性が高くメンテナンスも簡単であることから、低コストを実現。また、ランニングコストなどの面でもメリットが多いと言われているレンガです。
国産レンガの種類
国産レンガには、赤レンガや耐熱レンガなどがあります。それぞれJIS規格があり、赤レンガは「長さ210mm・幅100mm・厚さ60mm」、耐熱レンガは「長さ230mm・幅110mm・厚さ65mm」と決められています。
赤レンガは普通レンガとも言われ、一般的に使用されるレンガのこと。水に強いですが耐火性は高くありません。耐火レンガは、文字通り耐火性があるレンガのこと。1,000℃以上の高温にも耐えられますが、水に弱いという特徴があります。
また、そのほかに高い強度や吸水性が特徴の建築用レンガや外壁の仕上げで活用される化粧レンガ、エクステリアなど広場の舗装で活用される塗装用レンガ、軽量化を図って開発された空洞レンガなどがあります。
輸入レンガの種類
ヨーロッパレンガ(オランダやイギリス)
ヨーロッパはレンガの歴史が古く、レンガの文化が根付いているだけあってレンガの種類が豊富です。ヨーロッパと一口に言っても、オランダやイギリスなど地域によって土質や気候が違い、レンガの特徴も異なります。
オランダレンガは、硬くて赤い色が大きな特徴。レンガと言われて真っ先に思い浮かべるものがオランダレンガです。イギリスレンガはアンティークレンガとして市場に出回ることが多く、歴史感じる風合いが特徴的です。
オーストラリアレンガ
オーストラリアは国土が広く、そのほとんどが赤土です。そしてこの赤土は品質が良く、レンガも高品質なものが出来上がります。耐久性と耐水性に優れ、気候の変化に強いという特徴も。気候の変化が激しい日本の住宅にも適しているレンガと言えるでしょう。
またオーストラリアレンガは、普通レンガと比べてサイズがやや大きくて軽いとも言われています。比較的リーズナブルな価格で購入可能なレンガです。
ベルギーレンガ
ベルギーレンガは側面がでこぼこしていて、やわらかな質感をしています。こちらも手ごろな価格で手に入るレンガ。家の外壁などで使用されることが多く、色が豊富でデザイン性が高いです。
用途別レンガの選び方
家の外壁
家の外壁にレンガを使用したいなら、強度があって吸収性が低い建築用レンガや耐久性が高い新燃レンガなどが向いています。また、耐久性が高いヨーロッパレンガやオーストラリアレンガもおすすめ。色が豊富なベルギーレンガを使用するのもよいでしょう。
人の目に付きやすい場所なので、使用するレンガもこだわりたいところ。ただしレンガの外壁は劣化しにくくメンテナンスの必要がほぼないなどのメリットがある一方、費用が高いなどのデメリットもあるため、よく検討してから着手するようにしましょう。
家の内装
家の内装にレンガを使うと、デザイン性が高く落ち着いた空間にすることができます。内装にレンガを使用したい場合は、赤レンガ(普通レンガ)が扱いやすくおすすめです。水に強い特徴があるため、キッチン近くに使用することもできます。
また、空洞レンガも軽量なためインテリアに向いています。
塀や囲いを作りたい
エクステリアとして自宅の庭の外周を塀で囲いたいときや、一角に囲いを作りたいときに向いているレンガが、空洞レンガです。デザイン性が高いため、庭の装飾にもおすすめ。ただし強度があまり高くないため、扱い方に注意しましょう。
庭に花壇を作りたいと
花壇を作る際におすすめなのが、赤レンガ(普通レンガ)。他レンガとの相性も良いため、組み合わせて使用するのもよいでしょう。価格が比較的リーズナブルなため、低コストで作れるのも嬉しいポイント。
オーストラリアレンガやベルギーレンガは吸水率が低いため、水分が残ってレンガに苔が生えてしまうことも。ただしそれが雰囲気あって良いという人も多く、花壇に使用することで味のある独特の雰囲気になるでしょう。
高温になる場所に使いたい
暖炉やピザ窯、オーブンなど高温の場所に使用するには、耐火レンガがおすすめ。ただし水に弱い特徴があるため、使用する場所には気を付けましょう。赤レンガ(普通レンガ)は耐火性があまりないため、使用しない方が無難です。
屋外の床材として使いたい
庭の一部分にレンガを埋め込んで扉から玄関までの歩道として敷く際には、新燃レンガが向いています。または塗装用レンガや赤レンガ(普通レンガ)を使用するのもおすすめ。雨の日の転倒を防止するため、滑りにくい種類を選ぶようにしましょう。
赤レンガ(普通レンガ)は駐車場の床材としても向いています。ただし、基礎はしっかり組んでおくことが前提です。
まとめ
レンガにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴があります。用途によって向いているレンガは異なるため、どれを使用すれば適切なのか各レンガの特徴をよく理解しておくことが大切です。また種類によって見た目や価格も異なるため、実物や写真などをあらかじめ確認しておきましょう。
どのレンガを使えば分からない場合は、専門業者に相談すると安心です。